研究者を目指すあなたへ
「もう若手じゃないから」
友永 省三(京都大学)CV
「日本畜産学会若手企画委員会」なので、「若手」について考えます。私自身は、「未来に対して理想、希望および責任を持つ人たち」というイメージがあります。したがって、「未来」を議論するとき、「若手」を考えることは必要不可欠だとおもっています。「若手は伸びシロが大きいのでもっと多くの経験を積むべき」とご指摘いただいたことがあります。発展途上だと自分に言い聞かせて頑張るのは大事なので有難いことです。どの世代までを「若手」と呼ぶのかこだわる方もいらっしゃるかもしれません。このエッセイを書いている2015年1月現在、科研費の「若手研究(A・B)」に申請できるのは39歳以下です。世の中では「集団の構成員の中で比較的若い人たち」と考えることも多く、たとえば60歳を超えても「若手」とみなされる場合もあるようです。したがって、年齢は「若手」の絶対的な指標ではないと考えられます。
私の代表任期中における様々な企画を振り返ってみると、諸先輩方から引き継いだいい意味での「若手」を感じることができるものばかりでした。大会期間中のシンポジウム企画はどれも好評でしたが、第11回若手企画シンポジウム第2部「女性研究者としての生き方」は特に印象に残りました。タイトルに「女性」とありますが、性別や年齢は関係なく、研究への情熱が伝わってきました。2013年度からはじまった若手交流会「サイエンスナイト」は、素敵な名前に負けない素晴らしい交流会としてその後も続いています。大会期間以外には、秋大会が行われない年の夏に、若手企画委員を中心とした一泊二日の交流会(同時に会議)を行いました。2012年度は京都大学で、2014年度は総合研究大学院大学で開催しました。両方とも私が仕切らせていただきましたが、とても楽しく様々な意味で有意義でした。若手企画HPは2012年度に立ち上がりました。これまでの活動や読み物は、一部の若手研究者に評価していただき大変うれしく思っています。
私自身は、「日本畜産学会若手企画委員会」から離れても「若手」の気持ちは忘れたくないとおもっています。だから、「もう若手じゃないから」という台詞は、年齢を重ねても本音では発しないことに決めています(やりたくないことから逃げるときの言い訳として使う余地は残します(笑))。そして、そのときの委員や時代と共に変わっていく部分もあるかもしれませんが、畜産学分野の多種多様な「若手」が交流して発言できる貴重な場としてより発展していくことを願っています。