研究者を目指すあなたへ

私がAnimal Scienceに飛び込んだ理由 その2

石田 藍子(畜産草地研究所)

前回の記事に引き続いて、私がこの世界に飛び込んだ理由を書かせていただきます。

店での手伝いから、鰻の命をもらって生活の糧にしていることを体感した私でしたが、日常生活は普通の小学生でした。家では犬を飼っていて、共働きの親が帰ってくるまではその犬との時間で間を埋めたものでした。その他はひたすら生き物が好きで、神社仏閣に行けば親が境内を回ってくる間中池の前で鯉や金魚を見続けたり、近所の犬や猫のマップを作ったり、ムツゴロウ王国シリーズはかぶりついてみてファンクラブに入ろうとしたり、とりあえずそんな子どもでした。

高校に入学した直後のことでしたが、ありがちなことに、クラスの女子のグループ編成的なもののあおりを受けて、人間不信になりました。そのことに端を発して、なぜだか男子と喋ることができなくなり、本当に内向きな高校生活に入りました。人は好きだけど、接するのが苦手、というジレンマに陥っていました。そのまま時は過ぎ、その人間不信な生活の中で、進路を選択することになり、私が行き着いたのは、人は好きなので、人の役に立ちたい、でも人は怖い→動物を介して人に役に立てる仕事を!と考えていました。そんなとき、ニュースで、動物介在療法についての特集を目にしました。今ではアニマルセラピーと呼ばれています。老人介護施設に入ったのちに、表情が乏しく内向きになっていたお年寄りが、やってきた柴犬を抱き上げて満面の笑みを見せる、そんな映像だったように覚えています。それを見たときに、ぴーんときました。これだ、と。そしてその映像の中で、当時動物介在療法の動物側を提供しているのは、主に獣医さんである、という話をしていました。そこから私の獣医熱が始まりました。動物は大好きだし、これまで動物の命をいただいて生きてきたのだし、本業として獣医さんをして、余裕が出てきたらアニマルセラピーをやってみたい!という、子どもらしい単純な進路の選び方でした。

そこからは、獣医学部入学を目指して勉強をしました。私は兄弟が多く、一番下だったので、基本的に国立大学しか獣医学部にいける道はありませんでした。しかし、結果は獣医学部は私立の大学でのみ合格・・・。他に受かったのはT大学は生物資源学類。結局、T大学に進学することになりました。希望の道に進めずに失意の中でT大学を選んだ私。でも、このT大学への進学が今の仕事(独法・研究職)へつながることになりました。

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