シンポジウム

第20回若手企画シンポジウム(2019秋・岩手大)

ランチョンセミナー:みんなで筋肉勉強 -筋肥大と筋萎縮-

開催日時:
2019年9月18日(水) 11:45〜12:45
開催場所:
岩手大学農学部 7番講義室(第II会場)
講演1:
「骨格筋肥大と筋幹細胞」
演者:
深田 宗一朗 博士(大阪大学大学院薬学研究科・准教授)
講演2
「骨格筋萎縮 -タンパク質分解酵素カルパインの観点から-」
演者
尾嶋 孝一 博士(農研機構畜産研究部門・上級研究員)
世話人:
鈴木 貴弘(北海道大)、牧野 良輔(愛媛大)、原 健士朗(東北大)、川端 二功(弘前大)
協賛団体:
一般財団法人旗影会
参加者数:
110名

今回の若手企画シンポジウムでは、「みんなで筋肉勉強 -筋肥大と筋萎縮-」というテーマで、骨格筋を対象とした基礎研究の最新知見の解説講座をランチョンセミナーとして開催しました。はじめに、大阪大学大学院薬学研究科の深田 宗一朗 准教授から、「骨格筋肥大と筋幹細胞」という演題でご講演いただきました。骨格筋の肥大のメカニズムについて、筋幹細胞の挙動にフォーカスを当てたご自身の研究成果をもとに詳細にご解説いただきました。また、骨格筋の肥大および再生という生理現象は厳密に異なるメカニズムであることをご解説いただいた点は、オーディエンスに大きな衝撃を与えたことがアンケート結果に見受けられました。続いて、農研機構畜産研究部門の尾嶋 孝一 上級研究員から、「骨格筋萎縮 -タンパク質分解酵素カルパインの観点から-」という演題でご講演いただきました。骨格筋の萎縮に深く関連性のあるタンパク質分解酵素の1つカルパインファミリーにフォーカスを当てた分子メカニズムに関して詳細にご解説いただきました。特に、骨格筋で発現量が著しく高いカルパイン3の生体内における役割について、ご自身の研究成果をもとにご解説いただきました。難解な内容にも関わらず大変わかりやすくご解説いただいた点は、多くのオーディエンスから好評であったことがアンケート結果より見受けられました。

畜産科学分野において、食肉の主体となる骨格筋を対象とした基礎研究は大変意義深いものです。そこで、第一線でご活躍されており、常に研究アクティビティの高い講師のお二人をお招きすることで、是非とも畜産学会にご所属の先生方と最新知見の共有の機会を作りたいと思い、今回のランチョンセミナーを企画しました。お二人の講師はすぐに講演依頼をお引き受けくださり、かつ当日は丁寧なプレゼンテーションと質疑応答を行ってくださったおかげで、非常に密度の濃いセミナーになったと確信しております。

また、当日は多くの先生方にご来場いただき、多くのご質問を頂戴しました。多くの方にとっては分野が違う内容であったにも関わらず、垣根を越えて活発なディスカッションが行われたこと、またアンケート結果の全てに興味を持てたと記載されていた点より、本セミナーが大盛況であったことを強く感じました。さらにオーディエンスの皆様からのアンケートには、今後の若手企画シンポジウムへの期待や具体的に取り扱って欲しいテーマが多数提案されていたことをご報告いたします。

素晴らしい話を提供して下さった深田 准教授と尾嶋 上級研究員をはじめ、参加してくださった皆様に対し、改めて御礼申し上げます。最後に、本セミナーの開催にあたり協賛して頂きました財団法人旗影会、そしてご尽力頂いた大会運営委員の先生方に、心から感謝申し上げます。

文 鈴木 貴弘(北海道大)

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