シンポジウム
第19回若手企画シンポジウム(2019春・麻布大)
ランチョンセミナー:次世代シーケンシング技術(NGS)の最新動向
- 開催日時:
- 2019年3月28日(木) 11:45〜12:45
- 開催場所:
- 麻布大学 8号館8301講義室(第I会場)
- 演者:
- 重信 秀治 先生(*基礎生物学研究所 生物機能情報分析室・特任准教授)
- *現、基礎生物学研究所 新規モデル生物開発センター・教授
- 世話人:
- 水島秀成(北海道大)、中村隼明(広島大学)
- 協賛団体:
- 一般財団法人旗影会
今回の若手企画シンポジウムでは、次世代シーケンシグ技術をテーマにランチョンセミナー形式で開催しました。次世代シーケンシグ技術は、今や様々な分野において数多の画期的な発見をもたらすなど、今やゲノムサイエンスに大きな革命をもたらす技術として注目を集めている昨今であります。どうしてもビックデータを扱う観点から、解析法が分からないことや苦手意識が芽生えるなど、本技術の利用を躊躇う、あるいは利用したとしても、有益な情報を見逃しているケースが多く見られる印象を受けておりました。この現状を受け、何とか本技術のメリットを中心に解析法まで紐解いて解説する機会を設けたいとの発想から、バイオインフォマティクス分野では世界でも最先端を駆け抜けておられます、重信秀治博士にご講演を依頼する運びとなりました。
重信秀治博士のご講演の前半では、次世代シーケンシグ技術の誕生から、時代の変遷とともに変化するランニングコストや新たに誕生する新技術について、丁寧に紹介して頂きました。また実際に行う研究者の目線から、目的に応じた解析やそれに適した方法、メリット・デメリットについても解説頂きました。やはり現代・今後には欠かせない技術であることから、フロアの皆様も真剣に拝聴されていた印象を受けています。後半では、本技術の活用した実践番を、重信秀治博士が進められております、ホタルやアブラムシを例にご紹介頂きました。ルシフェラーゼの分子進化を初め、細菌ブフネラとアブラムシにおける分子間レベルでの共生には衝撃を受けました。本公演は、既に次世代シーケンシグを利用されている、今後検討されている研究者にとって有益なものであり、明日への指針・今後の研究発展に役立てて頂けるきっかけになったと実感しました。
当日は多くの先生方だけでなく、学生にもご来場戴き、100名を越える盛況振りとなり、次世代シーケンシグ技術の関心の高さを感じるところでした。素晴らしい話を提供して頂きました重信秀治博士、参加してくださった皆様に対し、改めて御礼申し上げます。最後に、本セミナーの開催にあたり協賛して頂きました財団法人旗影会、そしてご助力頂いた大会運営委員の先生方に、心から感謝申し上げます。
文 水島 秀成(北海道大)