サイエンスナイト

若手研究者交流会「Re:Virtual サイエンスナイト」

「世界に飛び立つためにこんな準備をしました」

日時:
2021年9月14日(火) 18:30〜20:00
場所:
Zoomを使用したオンライン開催(ライブ配信)
演者:
萩 達朗 博士(農研機構 畜産研究部門 上級研究員)
吉田 悠太 博士(茨城大学 農学部 助教)
世話人:
渡邊 源哉(農研機構)、松崎 芽衣(広島大学)、新居 隆浩(広島大学)、牧野 良輔(愛媛大学)
協賛団体:
一般財団法人旗影会
参加者数:
48名

第129回大会のサイエンスナイトは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、前回大会に続いて2度目のオンラインでの開催となりました。今回のサイエンスナイトでは、「世界に飛び立つためにこんな準備をしました」と題して、留学経験のある新進気鋭の2名の若手研究者をお招きし、海外への渡航が厳しく制限されているコロナ禍においても、海外留学に飛び出したいという気持ちをお持ちの学生や若手研究者の方々に向けて、留学先をどのように決めたか、留学先とのコネクションをどう作ったか、留学の予算をどのように獲得したか、留学の目的をどのように設定したか、その他事前に行った準備や、実際に留学してみてもっと準備しておけばよかった点など、世界に飛び立つために行ってきた事前準備について具体的にご講演をいただきました。講師の先生方にはZoomを用いてリアルタイムで講演していただき、チャット機能と挙手機能を併用して、参加者が自由に質問できるようにしました。

まず、萩達朗先生より「海外研究留学のための事前準備~オランダ編~」との演題で講演していただきました。内容については、研究内容が合致する留学先の探索や予算の獲得、オランダでの居住地を探して契約するまで、お役所での手続きや銀行口座の開設、お子さんの学校探し、航空券の手配や欧州圏での入国手続きの複雑さなど、実に詳細に、かつ臨場感豊かにオランダ留学の準備状況をお話しいただきました。質疑応答でも、留学に向かう前の仕事の引継ぎや上司への留学を切り出すまでの準備の話、留学についてご家族に相談した際のリアクションなど、留学を意識した具体的な質問が話題として上がりました。全体を通して、研究者としてすでに働いている若手研究者の方々が留学に向けて行う準備や段取りについてイメージを膨らませることができたのではないかと思います。

続いて、吉田悠太先生より「若手研究者海外挑戦プログラムを利用した留学事例 〜留学準備編〜」との演題で講演していただきました。吉田先生は大学院博士後期課程に在学中、若手研究者海外挑戦プログラムを獲得しアメリカへ留学されました。冒頭、同プログラムの学内申し込みの締め切りが海外留学を思い立つ2日前だったにも関わらず、留学先の了解の取り付けから書類の申請まで勢いでやり通したお話が大変印象的でした。また、ライフラインの契約等、留学先での生活の準備の中で英語が何も聞き取れなかった、というお話の後には、「それでも何とかなる。英語力は上がる。コミュニケーションの不安で留学をあきらめるのはもったいない!」と力強くおっしゃっていた姿は、今、留学への想いを抱えている多くの学生のみなさんの背中を強く押してくれたと思います。

総合討論では、参加者からたくさんの質問が寄せられました。その中には、今私が留学するとしたら、こんなことが気になっている、というような具体的な不安や悩みに基づく内容が多くありました。こうした質問に対しても、演者の先生方から丁寧な回答とアドバイスをいただくことができ、参加者のみなさまが持っていた留学への不安が少なからず払しょくされたのではないかと思います。

本企画終了後、今回のサイエンスナイトに対するアンケート調査を行い、企画の満足度について多くの方に高い評価をいただきました。また、「留学について具体的なイメージが膨らんだ、背中を押してもらった、えいやで海外にコンタクトをとってみようと思う」といったポジティブな個別コメントも数多く寄せられています。さらに、次回以降の若手企画のシンポジウムやサイエンスナイトへの要望やご意見もいただいており、若手企画委員会の今後の活動に有用な情報も得られました。

最後になりますが、本会の開催にあたり協賛して頂きました一般財団法人旗影会、ご講演いただいた萩達朗先生、吉田悠太先生、場を盛り上げていただいた参加者の皆様、そして運営にご尽力頂いた若手企画委員の先生を含めた関係者の皆様に心から御礼申し上げます。

文 渡邊 源哉(農研機構)

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