サイエンスキャンプ

第4回日本畜産学会若手企画サイエンスキャンプ

「若手が切り拓くアニマルサイエンスの最前線」

日時:
2023年2月11日(土) 13:20〜12日(日)12:30
場所:
茨城大学 農学部
世話人:
吉田 悠太(茨城大)、島元 紗希(新潟大)、新居 隆浩(広島大)、牧野 良輔(愛媛大)

2023年2月11日~12日に、茨城大学農学部(茨城県阿見市)でサイエンスキャンプを開催しました。この企画は、畜産学会若手企画委員会が主催するもので、コロナ禍以降(2018年8月以来)約4年ぶりの対面式の企画となりました。当キャンプを遂行するために、委員でメール会議を幾度も開催し、新型コロナの感染状況を踏まえ、開催方法や参加者の募集等の具体的な方針を固めました。新型コロナ感染症予防の観点から、今回は合宿形式ではなく、会場での現地集合、現地解散の形式とし、宿泊が必要な参加者はホテル(個室)に宿泊することとしました。また、事前に新型コロナワクチンの接種状況の確認や、未接種の参加者にはPCRや抗原キット検査による陰性証明の提出を依頼することとしました。以上の方針を示し、今回は参加対象者を学生または博士号取得後8年までの研究者とし、参加者には全員シンポジストとして研究発表することを必須として学会会員へ公募を行いました。その結果、委員10名の他に、公的研究機関(農研機構畜産研究部門)の研究員2名、大学院生(酪農学園大学、東北大学、弘前大学、東京農工大学)5名の計17名が応募してくださいました。このようなコロナ禍での制約があったにも関わらず、前回企画(第3回サイエンスキャンプ、21演題)と比べても遜色ない規模で開催することができました。シンポジスト全員には守秘義務同意書にサインの上、自身の研究を15分程度でプレゼンテーションしていただき、それに対する議論の時間を10分間設けました。情熱的な講演に対し、時間切れとなるまで止まない白熱した議論は1日目の昼から2日目の午後まで絶えることなく続きました。講演内容は多種多様で、研究対象は牛、豚、羊、鶏などの産業動物からマウスや線虫などの実験動物まで幅広く、研究分野も繁殖・生殖工学、育種・遺伝、管理・環境、栄養・飼料、形態・生理、畜産物利用といった畜産学会本会と同様に多彩なものでした。まさに今回のキャンプのテーマである「若手が切り拓くアニマルサイエンスの最前線」に相応しい内容となりました。

久しぶりの対面企画になったことで、多くの研究者にとっては数年振り、または、学生さんにとっては初めての対面での研究発表となり、参加者全員の研究に対する熱意を直に感じることができました。自身の研究内容について情熱的かつ楽しそうに話すシンポジストたちとその知的好奇心をくすぐられる研究内容に、終始ワクワクする刺激的な時間を過ごすことができました。休憩時間にはシンポジストの皆さんと引き続いて議論をしたり、一方で、キャリアパスやワークライフバランス、ラボ運営など研究活動での悩みを共有する時間となりました。従来の会場に泊まり込みの合宿形式で行われていたサイエンスキャンプと比較すると、議論や交流する時間の少なさを感じられた方もいらっしゃったと思いますが、対面での交流であったからこそ深い話ができ、同じ若手研究者としてお互いをより身近に感じることができたのではないかと思います。

この数年で画面越しでの交流に慣れてしまい、始めは同じ空間に集まった若手研究者の皆さんを目の前にして、緊張や戸惑いを感じましたが、この企画を通して研究仲間に会えた嬉しさや横のつながりの重要さを改めて実感することができました。

最後になりますが、第4回サイエンスキャンプを開催するにあたり、年度末のお忙しい時期に参加していただき、サイエンスキャンプを成功に導いてくれたシンポジストの皆さんに、この場をお借りして心より感謝申し上げます。

文:吉田 悠太(茨城大)・島元 紗希(新潟大)

シンポジストによる研究発表の様子

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