研究者を目指すあなたへ
研究留学について
杉村 智史(東京農工大学)CV
研究留学に何を期待しますか?
- ・高IF値ジャーナルに論文を出したい
- ・そこでしか獲得できないようなサンプル,スキル,データが欲しい
- ・海外研究者とのネットワークを広げたい
- ・研究者としての力を試したい
- ・研究に集中したい
- ・英語を上達させたい
- ・研究だけでなく私生活も充実させたい
- ・異文化に触れたい
実際,ウシの卵巣を一人で100個以上使えるなど,研究面でのメリットも実感しましたが,研究留学を終え,再度,研究留学のメリットや成果は何ですか?と問われれば,"人との出会い"と答えます.意外にも,これは多くの研究留学の経験者が留学後にメリットや成果と答えているようです.同業者のみならず,異なる文化,職種,研究分野の方々との出会いは多くの刺激をもらい,確実に自分を成長させ,さらに研究の幅を広げるきっかけになりました.海外でのポスドクはハングリーさも必要ですが,5時には仕事を片づけ,ビールグラス片手に異分野/文化交流も良いものです(オーストラリアならでは?).しかし,研究留学したからと言って,出会いや人脈を広げられるわけではありません.こちらから行動する努力も勿論必要です.現在,日本の研究はアメリカやイギリスなどと遜色ないレベルに達してきたと言われ,研究留学希望者が年々減少していると聞いています.確かに研究留学の決断材料として研究レベルも重要かもしれませんが,海外での経験そして出会いは今後の研究生活の財産になるはずです.研究結果が全てと決めつけ渡航した2年前の自省録として,そして,この学生の頃に戻ったような懐かしい感じが冷めないうちに筆をとりました.多少なりとも本記事が研究留学を考えている学生・若い研究者の方々の参考になれば幸いです.