研究者を目指すあなたへ

ポスドク制度

高橋 秀之(九州大学)CV

私は運よく3年間ポスドクとして働かせて頂きました。私の出身大学は3月10日前後に卒業式を行いますが、その時はまだ次の就職先が決まっていない状態でした。「博士号」なんて意味ないなと思っていたあの頃を思い出します。ただ、後悔はしていませんでした。それは、博士を取得しても就職できるか分からないと散々言われてきましたし、そういう状況を分かった上で博士後期課程に進学したからです。私は、ポスドク問題の本質を知らないだけかもしれませんが、基本的に学士で就職するにせよ修士で就職するにせよ、研究者になるにせよ、就職することや自分の好きなものを仕事にすることは「厳しい」ということに変わりはないのではと考えています。全員が第一希望の会社に入社できるわけではないし、希望の会社で働けたとしても希望の部署ではなかったりするのではないでしょうか。

学生の皆さんが、研究者になっても、別の分野で働くとしても、全てが望み通りに順風満帆とはいかないと思います。そういったネガティブな状況の時に、後悔しないような仕事を見つけて欲しいと願っています。

また、ポスドクという制度については、良い制度だと個人的には考えています。学生は博士号を取得するまでに専門分野が決まってきます。博士号取得後すぐに自分の専門分野で大学の教員や公的な研究機関で働くことは難しいのでポスドクの公募を探すこととなりますが、全く同じ専門分野でポスドクとして働ける人は少ないのが現状です。大抵は、自分の専門分野と近い分野か全く違う分野で働くことになると思います。しかしながら、これは、自分の研究の幅を広げるために大変役立ちます。私はポスドク制度があって良かったと感じています。現在、私は助教として仕事をしておりますが、これもひとえにポスドク時代に研究の幅を広げられたことにあると思っております。学生時代は内分泌を専門とし、ポスドク時代には筋肉の栄養素代謝について研究を行っていました。筋肉の栄養素代謝について学生時代は考えたこともありませんでしたが、その経験が研究の幅となり今の職に繋がっていると思っています。

留学先の大学本部付近の大学関係建造物(事務系)

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