研究者の日常

研究者の1週間

石田 藍子(畜産草地研究所)

月曜日

8時半 実験中の豚さんに餌をあげる。毎日顔をみて体調もチェック。
10時 採材。実験系が初めての採材はとても緊張して寝られない程です。アレをとって、これをとって、その後、それをこうして、と考えていると、白い巨塔の財前二郎の様な気持ちになってエアサンプリングを始めてしまいます。緊張し通しでしたが、どうにかこうにか皆さんの力を借りて採材修了。そのままサンプルの処理にあたります。
14時 お昼 ほっと一息。
15時 in vitroのサンプリング~17時半。
18時 おっと、車検に出しに行く約束を忘れるところでした・・・職場に戻って一日のデータをまとめ、実験ノートをまとめます。

火曜日

朝一で豚さんが生まれたとの知らせ。分娩予定通りに生まれることは多くなく、まんじりと分娩待ちをすることもしばしばあります。豚さんが生まれる日で実験の日程が決まります。
10時~ 採材。
お昼ご飯を間に食べつつ、落ち着くところまでサンプルを処理して14時半。
15時 in vitroのサンプリング~17時半

水曜日

午前中。豚舎で豚さんの飼養実験の片付けをこつこつと。エサ用のバケツを洗ったり、エサの残りを片付けたりと、豚さんの顔を思い出しつつ感謝しつつ次の豚さんを飼う時に備えて準備します。
部屋に戻って豚さんの実験のデータをまとめる。実験系は実験計画通りにできていることが分かり一安心。
15時 in vitroのサンプリング~17時。
全身が凝り固まっているので、今日は整体へ。さっそく骨盤のゆがみを矯正してもらいました。ホクホクになって職場に戻ります。

木曜日

午前中分析。分光光度計で測ります。キットを使った分析はお料理の様で楽しく、また検量腺がばっちり書けたときの満足感は格別ですね。測定結果は、これまでの実験で上手くいかなかった点がクリアできたことを示す結果がでて、ほっと一安心。
午後 所内の講習。これをうけないと、事業用車を運転できなくなるとのことなので真面目に出ます。決まりがたくさんあります。
15時 in vitroのサンプリング~17時半
いったん職場をはなれて歯医者さんへ。歯はいのち、ですからねぇ。半年に一回検診受けてますか?
職場に戻って実験データの整理と実験ノートのまとめ。気づいた小さなこともメモしておくと、何日か何年か未来の自分から大変感謝されます。

金曜日

今朝は車検から帰ってきた愛車を受け取ってから出勤です。愛車の運転は楽しいですね。
午後は近いうちにする実験の試薬などの調製をこつこつと。

以上の間に、論文を書いたり、提出する書類を作成したり、この若手企画の記事を書いたりしています。
わりと実験に集中できた週でしたが、週によっては会議や出張が入ります。
他の若手企画委員の方とお話ししたり、他の方の一週間のエッセーを拝見したりしていて、違いはやはり、学生さんがおらず、担当する授業や実習がないこと、だと思います。
学生さんがいない分、すべての実験の準備からサンプリング、片付けまで同じグループの方に手伝ってもらうことはあっても基本すべて自分でやります。
大学が教育機関で所管省庁が文部科学省であるのに対して、私が働いている農研機構畜草研は「食料・農業・農村に関する研究開発を行う機関」であり農水省所管ですので、いろいろ制度や決まり事、空気が違います。
大学の先生方とお話しをしていると、日頃から学生さんと接しているからか、感覚が若くエネルギッシュだな、と感じます。

そんなことも含めて、「畜草研って名前は聞くけどどんな場所なの?」と思う学生さんがいましたら、もっといろいろお話ししますので是非学会会場でお声かけください。

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