公益社団法人 日本畜産学会

理事長挨拶

理事長就任にあたって

公益社団法人 日本畜産学会 理事長

佐藤 正寛 

(東北大学大学院農学研究科 教授)

2021年度第2回理事会(2021年4月24日開催)におきまして理事長を拝命いたしました.微力ではありますが,日本畜産学会のさらなる発展に向けて努めてまいりたいと存じます.

本学会はわが国における畜産学および畜産業の進歩・発展に資することを目的として1924年(大正13年)に設立されて以来,わが国の農業,畜産業に対し,多大な貢献をしてまいりました.一方,食糧自給率の低迷,農家数や農業の担い手の減少,地球温暖化,感染症の脅威など,農業,畜産業を巡る国内外の情勢はもちろんのこと,そのための研究環境も依然厳しい状態が続いております.このような中,本学会は2012年(平成24年)に公益社団法人として認定され,「畜産及び社会と動物のかかわりに関する学術研究の発表,情報交換の場としてその進歩普及を図り,もって学術および文化の発展に寄与することを目的」として学術を中心とした活動を行うとともに,社会への貢献に寄与してきたところです.今後も,本学会の理念に基づき,学会をよりよいものとするための活動を進めていく所存です.

近年,本学会の会員数は漸減傾向にあります.会員数の増減は学会の活性度を示す1つのメルクマールです.会員数の減少に歯止めをかけ,さらに増加させるためには,会員であることによるメリットがデメリット(主に,学会費)を上回らなければなりません.そのためには,大会や講演会等の開催により,会員の交流,課題や成果の共有,成果の発信などの場を一層充実させていく必要があります.また,公開市民講座や小中高生向けのイベントの開催等,直接畜産に関わることのない一般の方々にも畜産学をより身近なものとして興味を持っていただけるような場を提供できればと思います.このように大会等の充実をはかるとともに,若い人たちの意見や考えを積極的に取り入れる仕組みを作ることで,次世代を担う会員にとって魅力ある学会にしてまいりたいと考えます.

本学会における公益事業の柱である出版事業では,国際的な情報発信の場としての英文機関誌であるAnimal Science Journalがより高い評価を得られるよう努力してまいります.また,邦文機関誌である日本畜産学会報は投稿数の増加を目指すとともに,研究だけでなく会員の交流の場として様々な情報を提供,発信できる魅力ある機関誌となるよう検討してまいります.さらに,完成を間近に控えた「畜産学用語辞典」を1日も早く出版するよう努めます.

本学会における表彰事業は,畜産学や畜産業の進歩発展に貢献した方々を表彰するものであり,特に若い会員が授賞することにより,その研究意欲を刺激し,それが新たな研究成果の向上に繋がるものと考えます.ともすれば、表彰数を増やすことにより、表彰に対する相対的な価値の低下が懸念されます.しかし,米国畜産学会等と比較すると、本学会における表彰数は決して多いものではありません。優れた成果や業績を表彰し,その功績を発信していくことは,表彰を受ける方の研究意欲のみならず,本学会における研究レベルの底上げに繋がるものと確信しております.そのためには,新たな授賞候補者の発掘など表彰のあり方についてこれまで以上に論議を重ね,表彰事業のより一層の充実に努めてまいります.

日本畜産学会は3年後の2024年に創立100周年を迎えます.本学会としてはこの大きな節目の年に,記念式典,国内外からの記念招待講演,記念誌の発行などの記念事業を予定しております.昨年はコロナ禍の影響で,フィリピンで予定されていた第19回アジア・大洋州畜産学会議(AAAP)が中止となりました.本学会100周年記念事業が畜産学の発展や情報交換のみならず,国際交流の場となるよう準備を進めてまいります.

以上,日本畜産学会のさらなる発展のため,会員の皆様のご期待とご要望に応えられるよう、皆様とともに努めてまいりたいと存じますので,ご支援,ご協力のほど,よろしくお願い申し上げます.

2021年5月