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2003-2004年度「大会のあり方ワーキンググループ」報告書

1.設置の経緯

 2001-2002年度「大会のあり方ワーキンググループ」(秋葉委員長)では「畜産学関連学会研究会の合同開催、および若手研究者を活性化し鼓舞する表彰制度の実施」を骨子とする答申をまとめた。2003-2004年度のワーキンググループは、前期ワーキンググループによる答申の実現に向けて必要な措置を講ずることを主要な任務として設置された。
 本ワーキンググループのメンバーとして、酒井仙吉(東京大学)、服部昭仁(北海道大学、委員長)、福田勝洋(名古屋大学)、 福田芳詔(北里大学)、島田和宏(畜産草地研究所)の5名により継続課題の検討をスタートした。その後、大会開催機関から野村義宏(東京農工大学)、山内啓太郎(東京大学)を加えて、主として新規事業である「優秀発表賞」の円滑な実施と大会における社会とのコミュニケーションのあり方について計6回の会合を重ねて検討を行った。

2.日本畜産学会優秀発表賞の創設について

 2001-2002年度ワーキンググループにより「次代の畜産学会の発展を担う大学院学生・若手研究者の研究活動を奨励し、しかも的確な評価を与えて活発な勉学・研究を助長する観点で、受賞時の年齢が満30歳以下の畜産学会会員を対象として、畜産学会大会における優秀な発表者を表彰する」ことが提案された。それを受けて2003-2004年度ワーキンググループでは日本畜産学会優秀発表賞の創設に向けた準備を開始した。具体的には募集、審査委員の選定、予備審査、選考方法、副賞等の運営にかかわる企画立案を行うとともに、選考基準、審査用紙、表彰規程の草案を作成することなどによって、編集委員を主体とする選考委員会、および常務会を支援した。
 このようなワーキンググループの活動を基に2004年3月に東京農工大学で開催された日本畜産学会第103回大会において第1回の表彰を行った。初回の応募者は34名であり、8名に優秀発表賞を授与した。第104回大会における応募者は15名で、4名に優秀発表賞を授与した。これまで2回の表彰においては必ずしも応募者が多いとはいえない。これは、応募者多数の場合の予備選考、座長の選定等の作業が必要なため、一般発表より募集期間を短くする必要があり、応募期限が早くなることに一因があるものと思われる。本表彰事業の周知をはかる等により、応募者が増加するような工夫が今後の課題である。

3.畜産関連生産者・技術者との連携・コミュニケーションの拡充と社会(市民・中高生・マスコミなど)とのコミュニケーションについて

 2001-2002年のワーキンググループでは、「当初の検討項目にある畜産関連生産者・技術者との連携・コミュニケーションの拡充と社会(市民・中高生・マスコミなど)とのコミュニケーションに関しては最終的な結論に至らなかったので、今後の検討事項として引き継ぐものである」との報告がなされた。
 本ワーキンググループでは全国大会における畜産関連生産者・技術者との連携・コミュニケーションが、支部に対応する地域レベルの畜産学会の大会に比べて相対的に希薄なのは、支部会の会員には公立試験場の研究員等、生産現場に近い技術者の会員が多く、本会正会員ではその比率が低いことが一因として指摘された。公立畜産関係研究機関の評価が厳しくなる傾向や、農林水産省傘下の独立行政法人研究機関の予算確保に産官学連携の条件が設定されている現状からみても、今後、公立研究機関の研究員を日本畜産学会会員として取り込み、全国大会への参加を促す取り組みが重要であろう。また、普及機関の職員等の興味を喚起するような活動についても望まれるところである。そのためには医学関係の学会のように症例報告のセクションを設けて、地方自治体の試験場等の現場に密着した技術者の発表の場を設けることも考えられる。会員確保のみならず、研究シーズの発掘にも役立つと思われる。さらに、報道機関に大会前にトピック的な演題について発表内容、発表日時を知らせる等の工夫も重要である。
 一方で、都市部の大学では周辺の生産現場に限りがあるため、大会が学術的色彩の強いものになる傾向がある。都市部の学会開催機関が各種学会関連行事を催しやすくするよう、学会からの総意として都道府県に対する働きかけを強化する必要がある。また、日本獣医学会、日本農芸化学会等の関連学会と開催期間が重複する傾向にある点が問題点として考えられるので、今後、開催期間の調整等を検討する必要がある。
 近年の大会では関連学会として若手の会員が独自にシンポジウムを開催するといった動きがあった。本ワーキンググループとしては、今後、このようなシンポジウムを大会行事として取り込むような形で、学会として支援するような具体的な方策を検討するよう要望する。

4.活動のまとめ

 本ワーキンググループは優秀発表賞の創設に向けて種々の検討を重ね、第103、104回大会の2大会において実施にこぎ着けた。受賞者の中にはその業績を評価され、学部長表彰を受けた者もいる。今後とも若手研究者の資質向上に本表彰事業が役立つことを期待する。また、本ワーキンググループ会合の中で「生産現場と交流を深める」といった議論がなされた。第105回大会では大会期間中に大会プログラムの一部として公開講演会を行うとともに、大会直後に北海道畜産学会、北海道大学との連携及び北海道開発局等の後援により大学の畜産関連施設の一般公開、「北海道畜産の日」等の付帯行事を行うことにより、社会、産業界との連携をはかる企画が検討されている。今後、都市部における開催においても、その特色を活かした企画がなされることを期待するとともに、公立研究機関、指導機関の会員確保と大会への参加が促進されるように期待するところである。

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